「ビルメンテナンスの仕事って、どんな場所で働くんだろう?」
そう思ったことはありませんか? 実は、ビルメンテナンスの仕事は多岐にわたり、働く場所によってその大変さややりがいも大きく異なります。
今回は、特に「大変だ」と言われることの多い、病院・商業施設・ホテルの3つの現場のうち病院に焦点を当て、病院設備の業務をお伝えしていきます。
もしあなたがビルメンテナンス業界に興味を持っているなら、この記事を読むことで、より具体的なイメージを持ち、自分に合った職場選びのヒントになるはずです。
病院の設備管理とは
イメージ的には、大きな病院(大学病院など)の様々な設備が安全かつ円滑に稼働するように維持、管理する非常に重要な役割を担っています。
患者さんや医療従事者が安心して病院を利用できる環境を支える、縁の下の力持ちと言えるでしょう。
具体的には、以下のような業務があります。
電気設備の保守・点検
受変電設備、蓄電池設備、分電盤、照明設備、コンセントなど、病院全体の電気系統の安全性を確保し、定期的な点検や故障時の修理対応を行います。また、医療機器の安定稼働に不可欠な業務です。
一番電気設備として多い作業は、蛍光灯管やダウンライト管の交換作業になります。脚立を使用する作業ですので十分安全に注意が必要です。
空調設備の保守・点検
空調機(エアハン、ビルマルチ、ファンコイルなど)、送風機、冷水・温水配管、給気や排気ダクトなどの点検、清掃を行い、院内(病棟、手術室、スタッフステーションなど)の温度や湿度を適切に保ち、感染症対策にも貢献します。
空調機(エアハン)、送風機の保守では、Vベルトの交換、グリスアップなどをします。
清掃では、空調機(エアハン、ビルマルチ、ファンコイル)のフィルター清掃を定期的に行います。エアーフィルターは、掃除機でゴミをとり、高圧洗浄機で汚れを流します。
給排水衛生設備の保守・点検
受水槽設備、洗面台、蛇口、排水管、トイレ、汚水槽、給湯設備などの点検、修理を行い、清潔で快適な水まわり環境を維持します。
修理では、シャワーヘッドが目詰まりによる、シャワーヘッドの交換。
配管まわりの水漏れの一時対応や洗面台、トイレの排水詰まり(ラバーカップでの対応)が多くありました。
消防設備の保守・点検
消火器、火災報知器、スプリンクラー、自火報盤などの点検、整備を行い、万が一の火災に備えます。
人命に関わる非常に重要な業務です。
感知器の誤発報の対応が多いです。現地に火災が無いか確認し、感知器に問題があるようなら予備品に交換します。
昇降設備の点検
エレベーターやエスカレーターの安全な運行を確保するための点検を行います。エレベーター機械室内で目視点検を行います。
基本的に点検は、エレベーター点検業者やメーカーのスタッフが定期的に点検をします。
ボイラー・熱源設備の運転、保守、点検
空調の冷暖房、給湯に必要な熱エネルギーを供給する設備の運転、管理を行います。
ボイラーでは、バルブ操作、薬液補充、軟水装置の塩補充、運転、停止操作。冷水チラーや冷温水発生器の保守端末からの運転、停止、タイムプログラムの設定。配管からの水漏れの一次対応などが主な作業です。
医療ガス設備の保守・点検
酸素、窒素、笑気ガスなどの医療ガスの供給設備の点検・管理を行い、患者さんへの安定供給を確保します。
医療ガス設備は、病院ならではの他の建物には、あまり存在しない設備です。主に、酸素、窒素、笑気ガスの圧力タンクの圧力を定期的に検針し残量を確認すること、圧力タンクや配管に漏れや装置にアラームランプが点灯していない事などを確認します。
笑気ガスは、手術で麻酔に使用されるものなので室内に入るときや、カギ閉めには十分注意が必要です。
業者との折衝・管理
専門的な修理や工事が必要な場合に、業者を選定し、お客様への報告、打ち合わせや作業の立会いを行います。
専門業者の修理や工事の作業終了後の確認作業がとても大事です。
記録・報告業務
設備の巡回点検記録や修理履歴などを記録し、日報や報告書を作成します。現場によって日報、報告書は、手書き、パソコンで行います。
書類作成では、パソコン作業もありますのでパソコンの基本操作、エクセル、ワード、デジタルカメラからの写真印刷を事前に覚えておく事をおすすめします。
まとめ

これらの業務は、定期的な巡回点検や計画的なメンテナンスだけでなく、突発的な故障やトラブルへの対応も含まれます。
そのため、設備に関する幅広い知識や技術、経験そして安全で確実な対応力が求められます。
また、入院患者のいる病室内や手術室内、たくさんの来院者がいるロビーなどで脚立作業や天井裏での作業を業務時間中に行うことも多いので自分の安全だけではなく、周囲の安全を確保しなければいけません。
この記事が参考になりましたら幸いです。